M90(NGC 4569)はおとめ座にある渦巻銀河である。おとめ座銀河団に属している。数少ない銀河系に対して接近している銀河の一つである。
概要
M89とM90は同じ視野に入る。M90はM89の北40分にあり、両者の間はジグザグの微星でつながるという。
双眼鏡では恒星状にしか見えない。口径5cmの望遠鏡では光のシミにみえ、口径8cmの望遠鏡では米粒状の中心角とそれを取り巻く光芒が見えてくる。口径10cmの望遠鏡では、M89と同一視野に見えM90はかなりつぶれた楕円形、M89は丸い円形に見えて、区別できる。口径30cmでは腕の構造のような暗黒帯が見えてくる。
観測史
1781年3月18日にシャルル・メシエによって発見された。メシエはこの夜、球状星団M92と8つの銀河を発見している。
メシエは「星のない星雲。M89より微光」と記した。ジョン・ハーシェルは「かなり大きく中央が明るい。核がある」とした。ハインリヒ・ダレストは「すてきな星雲だ。中心部は楕円で7'x90"の範囲が光り、11等星がきらめく。核はほんとうの星で、他に光る点はない」としたが、1864年には「非常に大きく12等級に囲まれた楕円形の星雲で、大きさは7'x2'。核は星雲を通して輝く星のようである」と追加した。
出典
参考文献
- 中野繁『星雲星団の観測』恒星社厚生閣、1978年。ISBN 978-4769900559。
- 浅田英夫『星雲星団ウォッチング』地人書館、1996年2月。ISBN 978-4805205013。
- 渡部潤一『メシエ天体のすべて - 夜空に光るM1からM110まで』ニュートンプレス〈ニュートン別冊〉、2007年1月。ISBN 978-4315517910。
- 藤井旭『全天星雲星団ガイドブック - 小型カメラと小望遠鏡による星雲星団の観測』誠文堂新光社、1978年10月。ISBN 978-4416278000。




