概要
環椎(第一頚椎)との間にある環軸関節は体軸に垂直な回転軸を形成し、頭部を回旋させる働きを持つ。軸椎の最も際立った特徴は、椎体上面から垂直に伸びる歯突起の存在である。
名称
軸椎には複数の別名・俗称がある。
- 第二頚椎
- 軸椎は
第二頚椎 (、英: 2nd cervical vertebra)とも呼ばれる。これは軸椎が頸椎のなかで上から2番目であることに由来する。頸椎 cervical の2番目であることから C2 とも呼ばれる。
- 喉仏・仏の座禅
- 軸椎は
喉仏 ()あるいは仏の座禅 ()とも俗称される。 - 火葬された故人の遺骨としての軸椎にこの呼称が用いられる。後上方から見た軸椎が坐禅(結跏趺坐)する仏に見えたことに由来する。
椎体
軸椎の椎体は前方に向かうにつれて厚みを増し、前下方に伸びて第三頚椎の前面に重なる。前面の正中には縦に隆起がはしり、その両側の陥凹に頚長筋が付着する。下面は前後では凸、左右では凹面となっている。
歯突起
歯突起(densまたはodontoid process)は椎体上面にする起始部がややくびれており、その上方には前面に前関節面があり環椎の歯突起窩と接する。後面には後関節面があり、環椎横靱帯と接する。歯突起は本来環椎の椎体として発生するが、途中で軸椎の椎体と癒着してその一部となったものである。
その他の特徴
椎弓根(椎弓のうち椎体と横突起の間の部分)は、特に前方が丈夫で広がっており、椎体および歯突起の根部と 癒合している。
椎弓板(椎弓のうち横突起より後方、棘突起までの部分)も厚く丈夫である。椎孔(中央の脊髄が貫通する孔)は大きいが、環椎のそれよりは小さめである。
左右の横突起は他の椎体に比べてかなり小さく、尖端には他の頚椎と異なり結節がひとつしかない。また他の頚椎と同様に横突孔(椎骨動脈が通る孔)があいていて斜め上方および外側を向いている。
上関節面は円形でやや凸面であり、上外側を向いている。上関節面は椎体、椎弓根および横突起と接している。下関節面は他の頚椎とほぼ同じである。
上椎切痕(椎弓根の上部にある切れ込み)は非常に浅く、他の頚椎と異なって上関節突起(上関節面にある隆起)の後ろにある。一方下椎切痕は他の頸椎と同様に下関節突起の前にある。
棘突起は大きくて上部であり、下面が深く切れ込んでいる。尖端は二分していてそれぞれに結節を持つ。
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脚注
出典
参考文献
- 原著 森於菟 改訂 森富「骨学」『分担解剖学1』(第11版第20刷)金原出版、東京都文京区、2000年11月20日、19-172頁。ISBN 978-4-307-00341-4。
関連項目
- 骨
- 椎骨
- 頸椎
- 第一頚椎(環椎)
- 第二頸椎(軸椎)
- 第三頸椎
- 頸椎
- 椎骨




